sumate

中高生のための学習・受験手帳

受験生へのアドバイス

入試対策は高1、高2からできる

2020年度から大学入試センター試験に代わり「大学入学共通テスト」が実施されます。試験内容が大きく変わるため、どのように取り組むべきなのか、何をすればよいのか、と戸惑いや不安を抱える人も多いのではないかと思います。
まだまだ手探り状態の中での入試対策ですが、高1、高2からでも取り組めることを先生、先輩に聞いてみました。

 Point① 1、2年生からできる入試対策
 
Point② 文章力をつけるポイント
 
Point③ 参考書・問題集の選び方
 
Point④ 東大生からのワンポイント! 〜受験に勝つための教科別学習法〜

Point①
1、2年生からできる入試対策 

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「思考力・判断力・表現力」を鍛えよう
共通テストでは、知識の深い理解と「思考力・判断力・表現力」を重視した出題へと見直され、複数の資料を同時に読み解き、それを頭の中でしっかり整理するなど複合的な力が必要となってきます。つまり単に覚えるだけではいけないということです。覚えたことを基本に、それを運用して、自分の考えをつくり出し、自分の言葉で表現できるようにならなければいけないのです。そして、それは学習によって急にできるようになることではありません。1、2年生のうちから毎日少しずつ鍛えていくことがポイントです。

では、覚えたことを基本に、それを運用して、自分の考えをつくりだし、自分の言葉で表現できるようになるためにはどうすればよいでしょうか。いろいろなアイデアがあると思います。
例えば、覚えたことを家族に聞いてもらうことです。誰かに聞いてもらうことで、自分の理解を深めることができます。そして、家族はそれに対して意見をいってくれることでしょう。あるいは、友人同士で、「それは、どういうこと?社会にとって、どんな意味があるの?それがわかると、どうなるの?」など、話し合うのもよいかもしれません。
また、話し合うこと以外にも別の方法があります。覚えた後に、100文字から300文字程度のミニ論文(日記)を書くことです。思考力、表現力の向上に大きな効果があります。
自分に合った方法をみつけ「思考力・判断力・表現力」を鍛えてください。
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英語対策は早めに!
共通テストでは文法や発音・アクセントの単独問題がなくなり、長文読解を基本とした出題になると言われています。つまり英語の長文を速く正確に読めないと問題が解けません。また、リスニングの配点がセンター試験のときより高くなりますので、そちらの対策も重要です。
英語の長文を速く正確に読む力をつけるには時間がかります。高3の受験生になってから取り組んだところで時間は足りません。高1、高2の早い段階でまずは単語、文法などの語彙力を上げていき、高3に向けて徐々に長文が読み解けるように準備していく必要があります。また、資格検定も積極的に受検していくと自分の苦手部分がわかり、早めの対策ができます。
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なんと言っても生活リズム
現役東大生とのミーティングによって導き出された答えは「志望校合格の決め手は生活リズム」です。
合格を左右する大切なことは、自分で管理しながら時間の質を高める生活リズムをつくりだすことです。毎日、一定のペースでリズミカル勉強する。定められた時間をいつものように勉強する。このパターンが皆さんを合格に導くのです。“sumate”製作にあたって、現役の東大生チームが出した結論は、実はこの生活リズムにあるのです。
また、家庭学習において重要なのは、計画を立て、実行、そして振り返りをして、次へ活かしていくことです。勉強のカタチができた人は合格にぐっと近づくことができるのです。
合格に必要な生活リズムを整え、時間の質を自分で管理できるようになりましょう。

Point②
文章力をつけるポイント

新聞・本など文章を読む - INPUT –

文章をたくさん読むことで語彙を増やすことができます。そして、こんな文章表現があるんだと自然に頭に入ってきます。
文章を書くときに、表現を真似することから始めるとよいでしょう。

書く習慣をつける - OUTPUT –

文章をたくさん読んで語彙や表現法を覚えたとしても、いきなりすぐには書けるようにはなりません。文章力を養うには日記をつけるなど、書く習慣をつけるのが一番です。そして少し慣れてきたら、読んだ本のまとめや感想を書いたり、課題を決めてミニ論文を書くことも練習になります。

情報を整理する

自分の考えを相手に伝えるためには、頭の中をしっかり整理する必要があります。そのためには1人で考えているだけでは限界があります。家族や先生、友達との対話することで、自分の考えに対する意見や反応を知ることができるのです。また会話の中から新しい発見があり、知識や興味を得て視野もひろがっていくでしょう。

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一文が長くならないようにしましょう。
たくさんの接続詞で繋げた長文は伝えたいことが分かりません。一文を簡潔にまとめたものを並べたほうが相手には伝わりやすいです。意外に思われるかもしれませんが、必要なことだけを簡潔にまとめた文章を書くほうが難しいのです。
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書くのが苦手な人は最初にキーワードを書き出すとよいです。相手に伝えるために必要なワードだけを選んで文章を組み立てるようにしましょう。
書いた文章は誰かに読んでもらい、意見をもらうと改善点も見えてきます。

Point③
参考書・問題集の選び方

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受験勉強に取りかかるためにまず準備しなければならないのが参考書と問題集です。この選択を間違えるとその後の受験計画に大きく影響します。十分に検討して失敗のないようにしましょう。
まず、参考書や問題集は必ず自分に合ったものを選びましょう。「ライバルの成績が急に伸びたから」「有名講師のオススメ参考書だから」と他の人と同じものを使っても、必ずしも同じ効果が得られるわけではありません。自分自身がやってみたいと強く思うものを選ぶことがポイントの一つです。
次にレベルも重要です。自分自身の学力に合っていなければ、勉強中にわからないことがどんどん出てきて、不安ばかりが膨らみます。当然ですが、参考書は志望校のレベルをカバーできている内容のものを選びましょう。問題集も今の自分のレベルより、少しだけ難しいものを選びましょう。
最後に、何冊も買わないことです。あれこれいろんな参考書に手をつけるより、自分に合った1冊を徹底的にやり遂げましょう。繰り返すと同じ所で何回もミスするということがあると思います。そこが自分の弱点です。また、問題を覚えることで、似た問題にも対応することができるようになります。復習は何よりも自分の力になります。
参考書、問題集が決まったら、勉強のスタートです。納得のいく学習計画を立て、目標達成に向けて勉強を進めていきましょう。

苦手な教科はきちんと理解するまで繰り返し、何度でも取り組みましょう。しっかり記録していくことで自分の苦手なところが見えてきます。
参考書リストをうまく活用して!

Point④
東大生からのワンポイント! 〜受験に勝つための教科別学習法〜

国語編

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速読を鍛えよう
国語では現代文などの長い文章を読む訓練として、高校の先生が朝日新聞の天声人語を使って速く読む練習を定期的に行っていました。天声人語などのコラムを毎日読むことも、継続することで勉強になると思います。
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古文に触れよう
現代文は得意だけど、古文は苦手という人は多いと思います。ですが、古文は昔の日本語で書かれた文章。今も増え続けている現代文と違って、古文は今後新たに書かれることはありません。さらに、試験に出せる文章は限られているため、たくさんの問題を解くことで古文に慣れることはもちろん、本番の試験でも解いたことがある古文に出会える可能性が増えます。(過去東大の二次試験の古文が、問題集で出題されたものと全く同じ解答だったことがありました)
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ヒントは質問文にあり
読解問題では、筆者の主張や意図を読みとることが重要なのは言うまでもありません。しかし、もっと重要なのは、出題者の意図です。設問文を良く読んでください。出題者は、回答者(あなた)にどのように文章を読み取ってほしいと思っているでしょうか。設問文を読み込むことで、その答えは見えてきます。

英語編

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毎日取り組もう
受験には、英語の他にも国語・数学・歴史など勉強しなければいけない教科はたくさんあります。その中で、英語には毎日触れるようにしましょう。英語は慣れが一番です。毎日少しずつ、英語の単語を覚える、リスニングをする、リーディングを行うなど、ひとつでも行うようにしてください。英語の先生がおっしゃっていましたが、長く英語を使わないでいると、やはりなかなか英語が出てこないそうです。「継続は力なり」は本当のようです。
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大事なのは熟語
「英語は、単語を覚えれば良い!」と思っていませんか。それだけでは足りません。慣用句や熟語も覚えましょう。これらは、長文読解でも、英作文でも、文法の問題でも必ず出てきます。「また知らない表現が出てきて嫌だな」ではなく、「知っている表現が出てきて、嬉しい」と思えるくらいたくさん覚えて、あなたの得点源になるようにしましょう。

数学編

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定義・定理・公式のポイント
教科書に素っ気なく書かれ、何気なく見ているであろう定義や定理、公式の「ポイント」を理解していますか。数学は、この「ポイント」を利用できるかどうかが点数の差に直結しています。定義や定理には「○○であるとき」や「○○において」という、一見注意書きのように思える言葉がついているはずです。また、公式も本来であればしっかりと導出をしてあるからこそ使えるものです。この注意書きや導出過程こそ、問題を解いていく上で手掛かりとして使える「ポイント」になってくれます。丁寧に書かれた模範解答をよく読んでみてください。必ず何らかの「ポイント」を利用して書いているはずです。
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繰り返し問題を解こう
気に入った問題集1冊を、3周以上しましょう。数学はとにかく問題を解かなければ、いつまで経っても身になりません。1周目であれば、解けないと思った問題は飛ばしても構いません。とにかく最後まで問題集を終わらせてください。2周目には解けなかった問題も解けるように、3周目には見た瞬間に解法、解答の数字が浮かぶくらいに頭に叩き込んでしまいましょう。そして、頑張って叩き込んだ解法、計算技法を使って点数を稼いでいきましょう。
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いろんな要素を結びつけよう
よく「解法は1つではない」と言います。これはその通りで、直線1つとっても、1次式として見るのか、ベクトル方程式として見るのか、あるいは幾何的に見るのか…というように、ある事象には何通りもの見方が存在しています。これらを素早く選び、複雑な過程を省略していくことも、数学の問題を解く上では重要な技量です。いろいろな見方を学び、それをつなげてください。

番外編

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日本史は暗記科目じゃない
日本史って、「何年に何が起きた、そしてどうなった」こういったことを覚える科目と思っていませんか。それだけではありません。歴史は出来事の羅列ではなく、人々の生きてきたストーリーです。政治の話だけでなく、人々の暮らしや文化に目を向けてみませんか。ある時代の人々は、どのように税金を払っていたのでしょう。何を自由にできたのでしょう。何を楽しみとしていたのでしょう。今に生きる私たちからも理解できるストーリーがそこには広がっています。歴史という物語を大いに楽しんでください。
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世界を貫く縦糸と横糸
世界史で重要なのは縦糸と横糸。1つの国や地域の歴史(縦糸)も大事ですが、同時代の他の国との関係(横糸)も意識しましょう。例えば、ある1つの時代(世紀)の地図を見てみてください。その時、ヨーロッパにはどんな国があったでしょうか、アジアでは。アメリカでは。それぞれの国の関係は。こんな風に見ていくと、世界の見方が変わってきます。
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